伝統・文化

2019年06月07日

台東区の職人も多数参加!ものづくりの魅力を伝えるイベント「モノマチイレブン」レポート

昔から、ものづくりの街として知られる御徒町・蔵前・浅草橋。通称“カチクラ”エリアでは、毎年5月下旬に「モノマチ」という、街とものづくりの魅力に触れられるイベントが行われます。

2019年は、5月24日(金)~26日(日)の3日間にかけて開催され、11回目にして、過去最高規模の190店が参加。大勢の参加者の皆さんたちが、マップ片手に街歩きや参加店との交流を楽しんでいました。

さて、今回は、「ドキドキとワクワク」がテーマの「第11回モノマチ」、通称「モノマチイレブン」で出会った、台東区の職人さんをご紹介したいと思います。

江戸末期から11代続く技を継承。東京銀器『日伸貴金属』


台東区三筋にある『日伸貴金属』の工房。作業をしているのは次男の宗光さん。

江戸時代、銀貨の鋳造は銀座役所(現在の東京都中央区銀座)でしか許されていませんでした。そのため、全国の銀師(しろがねし)たちは江戸に集まり、その技を競い合うようになりました。それが、現代に伝わる伝統工芸「東京銀器」の起源です。

 

工房の入口には、銀瓶純銀やかんなど作品が展示されている。

 


案内してくれたのは、三男の宗達さん。
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT(レクサス ニュー タクミ プロジェクト」に参加するなど、世界を見据えた新しい試みにも果敢にチャレンジしている。

 

「モノマチイレブン」当日は、いつもは職人さんたちが作業している工房で、東京銀器の製作体験を行っていました。参加者の方々は、手打ちの指輪、純銀製バングル、純銀製アイススプーンなどを作りました。

普段も、工房見学や体験教室を行っているそうです(完全予約制)。興味のある方は、HPで詳細を確認して問い合わせてみてください。

日伸貴金属

 

釘を使わず組み立てられた木工品・江戸指物の『茂上工芸 杢柾庵』

江戸指物の職人・茂上豊さんの工房にて。

金釘を使わず、木だけで組み立てられた木工品「指物」。その起源は平安時代まで遡りますが、急速に発展したのは江戸時代のこと。江戸指物は、漆や箔があしらわれた京都の指物とは趣を異とし、木目を活かしたシンプルなつくりでありながら、見えない部分に技術を駆使した粋なつくりで、将軍家はじめとする武家や、豪商、歌舞伎役者に重宝されたといいます。

そして、ここ台東区は、今も江戸指物づくりがさかんな地域として知られています。今回、訪ねた『茂上工芸 杢柾庵』も台東区蔵前にあります。

『茂上工芸 杢柾庵』のショールーム。たんすなど大型家具から、名刺入れなど小物まで、茂上さんによる作品が並んでいる。

『茂上工芸 杢柾庵』の茂上豊さんは、国家認定“伝統工芸士”。確かな技術で、江戸時代から続く伝統的な家具をはじめ、バックからネクタイまで、遊び心溢れる指物も作っています。

『茂上工芸 杢柾庵』のショールーム。たんすなど大型家具から、名刺入れなど小物まで、茂上さんによる作品が並んでいる。

茂上さんの工房には、大小様々なカンナをはじめ、多種多様な工具がズラリ! 「両国にある『江戸東京博物館』にも、祖父の道具が展示されていますよ」と茂上さん。道具は、自分に合うように、指物師自らが作ることもあるそうです。道具を見ているだけでもワクワクします。

「モノマチイレブン」では、箸づくりのワークショップを開催。かわいらしい、ミニミニサイズのカンナで木を削って箸をつくりました。

工場見学や体験教室は、随時受付中(要予約)。HPで詳細を確認して、ご連絡ください。

茂上工芸 杢柾庵

 

伝統的な寺社の畳から、現代の感覚に合わせた家庭用の畳まで。100年以上の歴史を持つ老舗『金井疊店』

モノマチイレブンでは、畳の展示やワークショップなどを開催。

台東区浅草橋で100年以上の歴史を持つ『金井疊店』。現在は、四代目の金井功さんが店の看板を守っています。

『金井疊店』では、フローリング床などの洋室にも合わせられる、モダンなデザインの「カラー畳」や、へりのない「琉球畳」、ペットと一緒に暮らしても安心の樹脂レザー素材の「わんにゃんスマイル畳」など、現代に暮らしに寄り添う畳を積極的に提案しています。

一方で、寺社などで使われる格調高い畳も手がけているそうで、その技術の高さがうかがい知れます。

 

四代目・金井功さんが手がけた「八重畳」。神様が鎮座される究極の畳で、最高難易度の技術が求められる。

「モノマチイレブン」では、『川島鈴鹿建建築計画』とのコラボレーションで、「ゆかでつくる四畳半トレイ」作りのワークショップが大盛況!予約が取れないほどの人気でした。

ワークショップで作った「四畳半トレイ」。畳や床材でできているおしゃれなトレイ。

 

ワークショップを待っている間には、いぐさプールでリラックス。『金井疊店』では、国産の良質ないぐさを使っています。

金井疊店

街全体が、ものづくりの魅力に溢れた3日間。ものづくりに携わる人たちと直接交流することができて、ワークショップでは、その技術にも触れられました。

25日(土)・26日(日)は、『職人圖鑑』編集部のある、鳥越の「おかず横丁」もフードコートになり、美味しい匂いと活気に溢れていましたよ!

全190店舗は回れませんでしたが、また、来年の楽しみに。

今年、参加できなかった方も、ぜひ、来年は足を運んでみてください。きっと素敵な出会いがあるはずです。

取材協力:台東モノマチ協会

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